今日の一杯。。。

Glenburgie

バニラやラムレーズンの甘いニュアンスは、アペリティフ的な感じ

Glenburgie
Speyside産のGlenburgieは花のような香しいアロマと、喉に絡む蜂蜜のようなフレーバーとテクスチャーが特徴的なシングルモルト。
若いGlenburgieは比較的素朴な印象がありますが、長期熟成物はフルーティで芳醇に仕上がっていることも多くあります。
また、原酒のほとんどがブレンデッドに回されているため、比較的入手しづらいシングルモルトの一つです。

蒸留所があるのはSpeyside地方最西端のフォレス地区で、フォレスの町から8キロメートルほど東に位置するアルヴス村です。
フォレス地区では、かつてはDallas Dhuという蒸留所も操業していましたが、1983年に閉鎖され現在は博物館として一般公開されています。
そのためGlenburgieは、最も西で造られるSpeyside Maltになりました。

Glenburgie蒸留所の歴史は、1810年まで遡ることができます。
1829年には現在の場所に蒸留所を建て替え、設備を移設しました。
また政府の認可を受け、公認の蒸留所となったのもこの年です。
当時、この蒸留所はキルンフラットと呼ばれていましたが、1878年にGlenburgieと改められました。

この蒸留所の特筆すべき点は、一時期ローモンドスティルが使われていたことです。
ローモンドスティルというのは、20世紀半ばにHiram Walker社が開発した蒸留器で、円筒形のネックの中には蒸気の還流率を調整する装置がつけられています。
またスワンネックとコンデンサーをつなぐラインアームも、通常はできない角度調節ができました。
1958年に導入され、短期間でしたがGlenburgieとは別にGlencraigという名のモルトウイスキーが生産されていました。
Glencraigはとても魅惑的なキャラクターのシングルモルトで、Glenburgieよりも酒質が軽く、エキゾチックでフルーティなアロマを放ちます。
Glencraigは大変希少価値が高く、ほとんど見かけることはありません。

Glenburgieは以前はAllied Domecq社が所有していた蒸留所で、ブレンデッドウイスキーのBallantine’s、Ambassadorの主要な原酒でした。
しかし2005年にPernod Ricard社に売却され、同年に建て替え工事が行われ操業を一時ストップしてしまいます。
2007年には、全面新築となった新生Glenburgieが操業を再開しました。
なおGlenburgieは、長年水不足で悩む蒸留所の一つでしたが、新たな水源確保に成功し生産量もアップしています。

Tweet